たぶん2回目で脱がせるのが好きな鹿月

かんかん橋は夫婦モノの割にセックスがほのめかされるのは蕗江と鹿月だけで、ほかに描かれる性的な要素と言えば強姦ばかりである。このようにセックス描写はなくレイプだけが描かれるのは、他の草野作品にも共通しているとおもう。

かんかん橋の性暴力は権藤木夫とトキ子周辺の人々によってなされるが、トキ子本人も儀式の時には毛者衆の誰かに自分の相手をさせているのではないかと思われる。56話で裸になっているのは、最初は新しいことを思いついたことの記号的表現かと思ったのだが、やはり性行為を暗示しているというのが現時点でのわたしの理解である。

トキ子という人物は、すべての人々の姑でありつつ永遠の花嫁でいたいという矛盾した欲求を持っており*1、市毛家の婚礼は姑が嫁として再生する儀式でもあるのではないか。また、はっきりと描かれてはいないが夫を追い詰めて病死に至らしめたことも自分の汚点として考えており*2吉祥園に子供を拉致するのは擬似的な出産、そして息子を夫にする行為なのだろうとおもう。

ところで、何となく鹿月は着衣セックスが好きそうだなと思っている。33話で蕗江が着ている服は絶対に鹿月の好みだ。

*1:これをスケールの小さい形でやっているのが権藤木姑である。

*2:悪党のくせに善人だと思われたがるタイプの悪人なのだ。