タコが自分の足を食べるような

ここのところ西日本の水害をきっかけに避難所のあり方や小中学校のエアコン設置が問題になっているが、やはり二つは分けて考える問題だと思う。ひとまずは、災害避難所はホテルや旅館を借り上げる、小中学校はドイツのように所定の気温を上回った日は休校にするというのが解決策だろうか。

避難所にエアコンは必須なのは論を待たないが、引っかかるのはこれを機に小中学校でのエアコン設置、使用を広げようとする動きだ。もし近年の猛暑や水害が温暖化の影響だとすれば、温暖化の結果に対応するためにCO2を増やし、排熱でヒートアイランド現象を激化させるのは何とも道理に合わないことではないか。ならば人命に関わるほどの暑い日には休校にするしかないように思う。

ただそれにもやはり不安はある。家にエアコンや扇風機のない児童生徒を熱中症の危険にさらしかねないし、各家庭でエアコンを使うことにより電力の消費量はさらに上がってしまうかも知れない。児童生徒を守ることと、気候変動をこれ以上進行させないことと、短期的には取るべき対応が矛盾しかねない目標だが、しかし長い目で見れば同じことのはずだ。私には、根性論はやめろエアコンを設置しろの大合唱がそれはそれでひどく短絡的に聞こえる。