どこにもいられない人

インターネットだと体育嫌いを標榜しておけば敵は作らないようなところがあって、乱暴に言えばネットの外の世界の逆をやっている*1。ところが、いろいろ見ていると指導者の横暴とかチームの団結といったことは苦手だけど体を動かすのは好きだし競争はあった方が励みになるのでずっと陸上をやっていた、といった人もいて、こういう人はどこに行っても居心地が悪いだろうなとおもう。

こんな風に自分はどんな議論でも必ず、どちらの側にも入れない人、自分の思いを言い出せず沈黙したままの人の存在をつい考えてしまう、そう思っていたのだけど、実際は相手の話もろくにきかずに既存の箱に放り込むようなことを無自覚にやっていることがたくさんあるのだろうな、と気づくことがあった。話を聞いた後でレッテルを貼るならまだいい。それすらせずに最初からある分類箱に押し込めて蓋をしてしまうのは本当に失礼なことだ。

*1:乱暴に言えば、と書いたのは完全に対称ではないと思うからだ。スポーツ嫌いな人はスポーツ好きな人の物の考え方や感じ方を反発しながらも理解しようとするものだが、スポーツ好きな人は嫌いな人間が何を考えているかなど想像もしないばかりか、そもそもやるのも見るのも興味がない人間の存在自体を認知していないだろう。