まむしと徹子がお中元で見えない拳を戦わせる番外編の可能性

川東の謎作法に、お菓子を人に贈るとき店の箱では失礼なので重箱に詰め替えるというのがあるが、気になるのは、箱を変えたら本当にしんぎん堂なり蘭花堂なりのお菓子なのか、あるいは買ったのかお裾分けなのかわからなくなるので、贈り物マナーとしてはまずいのではないかということである。16話でお中元? の包み紙を綺麗に開けるエピソードがあるが、あれは包み紙を破いてしまえば購入した体裁が失われるから他へ回すことが出来なくなるという理屈で、これならよくわかる。

いろいろ考えていて思い当たったのは、あれはまさに購入店をわからなくするのが目的なのだ。恐らく、そこには二つの意味がある。まず一つは、同じあんこ玉でもあの人はしんぎん堂だとかあの人は別な店だとかで無用な軋轢を生むのを避けるため。そしてもう一つは、川東の人々はこのマナーを逆手に取って、わざと蘭花堂よりランクの低い店のくず桜を贈り相手を試したりするのだろう*1

相手が何も言わなければお菓子の味もわからない田舎者と馬鹿に出来るし、安物を贈って来たと言われれば言い掛かりとか恩知らずとかで相手を攻撃できる。贈られた方は実に難しい対応を迫られるだろう。敵対したい場合、和解したい場合、その気持ちがお互いに一致している場合、食い違っている場合、それぞれの場合に無数のドラマが生まれるはずだ。こういう話って草野誼がすごく得意そうですよね。

*1:不二子の宣戦布告の方法も、似たようなことは他の相手にもやったりやられたりしていたということになる