鳥頭が焼き鳥を見たとき

小銭が必要なことがあってコンビニでくずすことにした。大根サラダが30円引きだったのでそれを持ってレジに並び、レジ脇の商品を見つつ「焼き鳥か……砂肝か軟骨はないのかな」などと考えていたら当初の目的をすっかり忘れてしまった。大根サラダは97円、財布には102円ある。ためらいなく102円を出してお釣りは5円玉1枚、小銭をさらに減らしてしまったのである。

会計を終えた直後にそのことに気づき、もう一度何か買おうかと思ったがいまコンビニで必要なものはない。とりあえずそのまま店を出て近くのドラッグストアまで歩き、ブルーレット置くだけを今度はちゃんとじゃらじゃらとお釣りが出るように買った。ちなみにこのドラッグスストアはその日2度目で、その時にはトイレ用品を買い忘れていたわけである。何にせよ、小銭のことに限ってみても予定外の遠回りと買い物で15分や20分は無駄にしている。

ただ、わたしは子供の頃から何をするにもこんな感じなので、時間を浪費することや同じ場所を何往復もすることにさして抵抗がない。こういう自分への適応力の高さとでも言うべき傾向は裏を返せば向上心のなさでもあって、いつまで経っても要領が悪いことの一因でもあるのだろう。

 

それでも仕事では人に迷惑がかかるのでちゃんとしていると言いたいところだが、実際には仕事も似たようなものだ。2時間で仕事が終わる人間のところに8時間かかる人間の仕事が降って来る理不尽さだとか、自分より無能な上司の下で働く苦痛といった投稿がツイッターなどで多くの賛同を得ているのを見ると、自分も陰ではいろいろ言われているのだろうなあとおもう。