「那村工務店」はいい名前だ

黄色いワゴンってあまり見ないよなと思っていたら、このまえ同じ日に二度見かけてしまった。おそらく、那村家は工務店か電気店か何かをやっているのだろう。あるいはまむしが大型免許を持っていること、荷物運搬の手際の良さなどから見て運送会社だろうか?
確実なのは地主だということで、まむしに人望があるのも彼女個人の魅力だけではなく那村家が山背の名望家だからではないだろうか*1鮎がバイトしてるのは家計上必要に迫られてというよりは、性格的に体を動かしてた方がいいとか、姑と家にいるのが気詰まりだとかいう理由なのだろう。
ちなみに、「お姑ォ」のコマで戦っている男ふたりのうちどちらかが鮎の夫だと想像しています。もし「かんかん橋2」があるとしたら、高校生時代の鮎夫が山背の峠道で公道レースに青春を賭ける話ではないか。やがて「山背のハチロク」として桃坂町内外に名を轟かせる鮎夫。もちろん、ガソリンスタンドでバイトしている早菜男も登場する。

*1:『ガレージママ』にしても『愚者の皮 チガヤ編』にしても、旧家や名望家が存在する世界が草野漫画の原風景のような気がする。「かんかん橋」は、町の大きな歴史の流れとして仁志家と市毛家の争いとそれに続く市毛家の内紛があって、若い世代が秩序回復のために奮闘する物語としても読める。30数年にわたる町の暗黒時代の、最後の数年を描いているのだ。その場合、混沌と秩序の闘争とか、新旧の世代交代といった主題が前面に出て来る。